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気分に不調があったら悩まずに頓服薬を飲もう| うつ病と生きる

2019年9月13日

私がうつ病になってから、かれこれ20年以上経ちました。
病気の始めの頃、親から「心の風邪だからすぐに治るよ」と言われるのを聞いていた頃が懐かしいです。
ネットの文化が進むにつれて、さまざまなうつ病体験者の記録を見ることができ、「心の風邪」という言葉が「すぐに治る」ではなく「誰でも罹る」という意味だということに気付きました。

そんな誰でもかかる病気だからこそ、経験や知識、気付きといったものは共有した方がいいと思っています。

今回私がお話したいのは「頓服薬の使用」についてです。

心療内科や精神科の医師から処方される「頓服薬」。
あまり他人の薬事情を詳しく聞いたことはありませんが、私に処方される頓服薬は主に「気分が下がったとき」や「うつ状態がひどいとき」に飲むように指示を受けています。
この頓服薬のおかげで、様々な心の危機を乗り越えてきました。

もちろん「頓服薬」と一言で表現していますが、この20年で内容・薬の種類は変わっています。
しかし、「薬を飲むタイミング」は決まっています。
少なくとも10年くらいは変わっていません。

今回は、私の頓服薬についての考え方・使い方をご紹介いたします。

▼目次



気分の不調を感じたら頓服を飲む

「飲まない選択」は時間の無駄

「病気の自分」を認めてあげる

服薬については医師の指示を守ろう

飲みすぎ・依存には気を付けよう

まとめ


気分の不調を感じたら頓服を飲む

私は基本的には病状は落ち着いている方だと自分で思っています。
しかし、突如として頓服薬を必要とする状態になることがあります。

「気分が落ちている」
「何もやる気が起きない」
「気持ちが沈んでいる」
「なんだかわからないけど不安だ」
「失敗した出来事が頭から離れない」

上記のような状態になったとき、私は頓服薬を飲みます。
頓服薬は「不安時」とか「不穏時」に飲むという指示でもらっている薬です。

飲むとだいたい1時間くらいで気分は落ち着いてきます。
回復ではありません、「落ち着いて」くるのです。
「落ち着いている」=「平常時」と思って頂いていいと思います。

薬がしっかりと効いているときはそのまま「上向き」とか「前向き」とか、そんな気分になっていきます。
薬を必要とする状態になってから薬を飲むまでは、気分が落ち込んでいる状態ですので「上向き」まで気分がいけばかなり効果があると思えます。

薬の効き目が実際に飲んだ後どれくらいの時間で来るものなのかは知りません。
人によっても薬によっても差があると思います。
しかし、私の場合は「薬を飲んだ安心感」も得ますので、それで1時間前後、早いときは10分後くらいには上記のような効果が出てきます。

「気分が落ちている」
「何もやる気が起きない」
「気持ちが沈んでいる」
「なんだかわからないけど不安だ」
「失敗した出来事が頭から離れない」

繰り返しますが、上記のような状態になったとき、私は頓服を飲みます。

「飲まない選択」は時間の無駄

頓服薬を飲まないという選択は、いろいろな観点から時間の無駄だと思っています。

私はそんなことはないのですが、気分が落ち込んだ時に頓服薬を飲むことをためらう人もいるみたいです。

他にも「調子がいい状態が続いているから薬に頼らないでおこう」とか「一時的な変調なので薬がなくてもすぐ治るだろう」とか、そういう考えをもって頓服薬を飲まない人もいるとのことです。

正直、気分に極端な変調があったときに処方されている頓服薬を飲まないというのは、時間の無駄だと思っています。

なるほど一時的な変調かもしれません。
しかし、それが落ち着くまでは自分はすごく苦しいのです。
そんな状態に耐えたとして、誰に何の得があるのでしょうか。
それに、耐えていたからと言ってその状態から脱することができるなんて、どこの誰が保証してくれるのでしょうか。
1日中その状態が続く可能性だってあります。
もっともっと気分が沈んでいく可能性だってあります。
そして、大抵の場合、いったん飲まないことを決めたとしても、あとで飲むことになります。
以前の私がそうでした。

飲むか飲まないかを悩むのも時間のムダです。

悩んでいる間に時間は進み、症状はより重いものになっていくかもしれません。
そんな状態になったら、それこそ時間の無駄どころか、おそらくあとで「頓服薬を飲まなかった」ことを後悔します。
後悔はより深い気分の落ち込みを生むでしょう。

気分・気持ちに変調を感じたとき、頓服薬を飲まないという行為は時間と体力、精神力のムダです。

「病気の自分」を認めてあげる

「病気の自分」とか「気分が落ち込んでいる自分」、「深く悩んでいる自分」といった「ありのままの自分」を認めることは、うつ病との共生において大事なことだと考えます。

「こんなはずではない」とか「自分はすぐに治る」とか、そういった考え方を持っていると薬を飲むことをためらったり、また飲むことを止めたりしてしまいがちです。
「(仕事があるから)すぐに病気を治さないといけない」も厳禁です。
その考えから「だから薬を飲んでいられない」といった考えが生まれるからです。
焦りは病気の状態をさらに悪化させます。

一番大事なのはうつ病である自分自身を自分で認めてあげることです。
そしてうつ病とは長い付き合いになるということを知ることです。
そうすると変に気が張ることもなくなりますので、気持ちが楽になります。

「病気の自分」を認めていないと、頓服薬を飲むべきタイミングで飲むことをストップしてしまいます。
すると、気分はますます不調になり、その時間は何も手につかないことでしょう。

「うつ病の自分」を素直に認め、受け止めてあげることがまずは大事です。
頓服薬を飲むという行為そのものよりも、大事です。

服薬については医師の指示を守ろう

服薬については主治医の指示を守るべきです。

うつ病かどうかを診断するのは医師です。
経過を観察するのも医師です。
薬を処方するのも医師です。

うつ病と一緒に過ごすにあたり、医師という存在は欠かせないものです。

薬の飲み方や飲むタイミング、飲む量、一日の限度量、一度飲んだら間をどれくらい空けるかなどは原則として医師の指示に従うべきです。
医学を学んでいない素人が勝手に判断しても、ろくなことにならないのは目に見えています。

「薬が自分にあっていない」と思ったら、すぐに医師に相談して、別の薬に変更してもらいましょう。

「この医者の言うことなど聞けない」とか「この医者はいつも間違ったことを言っている」とか「自分が合わないと言っているのに薬を変えてくれない」などと思ったら、医師・クリニック・病院を変えましょう。
医師と信頼関係ができていないからです。
主治医との信頼関係ができていないと、クリニックに行くたびにイライラすることになりますし、処方された薬に対して信用できなくなる場合があるので大変危険だと思います。

正しい医師と患者の関係になれる医師を出会うことが肝心です。
とは言っても、医師も人間です。
必ずしも自分に理想通りの医師を出会うことはできないでしょう。
相手・医師に対してどこか「妥協」も大事です。

話がそれましたが、処方された薬の用法用量に関しては医師の指示を守りましょう。
医師は病気の専門家です。

飲みすぎ・依存には気を付けよう

頓服薬は即効性があり、効果が強いものがほとんどだと思います。

なので、飲むとすぐに「気分がよくなる」こともあります。
それがある種「快感になってしまう」ことが、何年も病気の生活を続けていると起こることがあります。
そうなってしまうと、医師の指示を守らずに一日に何度も薬を、しかも間を空けずに飲んでしまいます。

私もそういう時期がありました。

頓服薬を飲んだあとのなんとも言えない「高揚感」とか「フワフワした感じ」がクセになり、快感になり、ハマってしまいました。
「気持ちが沈むくらいなら」と、一日に何錠も薬を飲み、ずぅーっとフワフワした状態を維持していました。

頓服薬をそんなペースで飲んでいたら、当然薬はすぐになくなります。
飲みたい薬がなくなると、もう落ち着いてなんかいられません。
荒れます。

しかも、頓服薬が無いということは、本来飲むべきタイミングに飲むことができないということです。
そうなるとますます気持ちは不調になりますし、荒れ果てます。

これが「薬への過度の依存」です。

薬にある程度依存するのは病気の人間としてが普通のことだと思います。
しかし、医師の指示を守れないほど飲んでしまうような「過度な依存」は、本当に悪循環を生みます。

最悪の場合、医師・病院から治療を拒否されるケースもあるかもしれません。

薬の使用は医師の指示を守り、飲み過ぎなどの過度な依存は避けましょう。

まとめ

◆気分に著しい不調が現れたら頓服薬を飲みましょう。
◆頓服薬を飲むかどうか迷うのは時間の無駄です。
◆病気の自分を素直に認めましょう。
◆服薬は信頼関係のある医師の指示に従いましょう。
◆強い薬への依存には気を付けましょう。

今回書いた内容はあくまで私の一意見です。
私は医師ではありませんし、医療従事者でもありません。
あくまで20年以上のうつ病体験を基に書かせて頂きました。

参考になるとことは参考にして頂いて、読んでいて参考にならない・おかしいと思う点は切り捨てて頂いてかまいません。

この記事は「あなたに押し付ける意見ではない」ということはしっかりと言っておきます。

自分が納得できるところだけ吸収して頂いて、前向きな生活の足しにして頂ければ幸いです。

東京都立梅ヶ丘病院に精神疾患(うつ病)の患者として入院していた頃の話 | 精神病院体験記





かつて東京都内には「東京都立梅ヶ丘病院」という病院が、小田急線の梅ヶ丘駅近くにありました。
主に小児精神疾患を扱う精神病院でした。

概要や歴史その他詳細などはウィキペディアで確認して頂くとして、簡単にまとめると「小児・少年・少女・青年期における発達障害や心の病・精神疾患などを専門的に扱う病院」だったのです。

世紀末が明け、新たな時代に入り世の中が希望に満ちていた2000年だったか2001年だったか、私はそこに1年近くの通院治療を経て、入院することになりました。

もともと私は発症したとき、入院を自分で希望していました。
しかし、病院の空きベッド数の関係などで、中々入院治療を受けることができなかったのです。

梅ヶ丘病院で1年間通院治療を受けましたが、あまり効果が出ていたとは言えませんでした。
当時の担当医との相性が悪かったのかもしれません。
そのタイミングで、満を持しての入院開始だったのです。

今回は、今はもうない梅ヶ丘病院について、入院体験者として中でどういった生活が営まれていたのか、少しお話したいと思います。






 

▼入院病棟はいくつもあった

入院病棟は複数ありました、6棟だったような気がします。
主に 性別・年齢・病状 で分けられていたかと思います。

当時、その中で思春期の男子が入れる病棟に私は入院しました。

その中では、私のようなうつ病患者や統合失調症患者、発達障害や知的障害、その他よくわからないけど何らかの精神疾患を患った少年・青年達が閉鎖された病棟で共同生活を送っていたのです。

他にも、思春期の女子だけを集めた病棟や、小学校低学年などの児童を集めた病棟などがあったと思います。
介護者なしでは生活できないような障害の子供達を集めた病棟もあったような気がします。

基本的に他の病棟とは交流を持ちません。
たまにスポーツ大会などで会うくらいです。

もちろん、他の病棟に入ることはできませんでした。
他の病棟の患者さんとも、あまり関わってはいけない雰囲気でした。

 

▼寝泊まりする病室について

入院する病室には大きく分けて2種類ありました。

「個室」と「相部屋」です。

基本的には相部屋で生活することになりますが、入院初期ですとか、あるいは相部屋にすると問題(暴力・喧嘩など)が発生してしまう患者さんは個室に入っていたと思います。

個室に関しては、場合によっては常時鍵を外からかけられ、トイレに行くとき以外自由に出入りすることはできませんでした。

相部屋はいくつもありました。
3人部屋や4人部屋、6人部屋が一番広かったかもしれません。

カーテンなどで仕切られているわけではありませんので、プライバシーも何もありません。

また、他の病室に入室することは固く禁止されていました。

ルールを違反してしまうと、「外出禁止」などの罰を与えられました。

 

▼徹底して閉鎖・管理された病棟

病棟の出入りは全く自由ではありません。

病棟の担当看護師の許可もしくは同伴がなければ、外に出ることはできません。
しっかりとした鍵で二重にロックされていたような記憶があります。

家族などの面会に関しても、事前に家族が病院に連絡したうえでスケジュールを調整しなければならなかったと思います。
病棟内は広くなく、また特に面会室など設けてありませんでしたので、そういった配慮が必要でした。

また、持ち物も厳しくチェックされます。

当たり前ですが、刃物などの危険物は持ち込みできません。

ヒゲ剃りや爪切り、ハサミなどに関しても病棟に持ち込んだのち、看護師さんに預ける必要がありました。
使用したい場合のみ、お願いしてそれらの道具を出してもらうのです。

お菓子なども、栄養管理の面から、自由な持ち込みはできなかったような記憶があります。

そもそも、お金に関しても家族が病院・看護師さんに預けて、必要な分だけ支給されるスタイルでした。

起床時間や消灯時間、食事時間や入浴時間なども決められていて、生活そのものを管理されていました。

それは、精神疾患の影響で生活が怠惰にならないようにするためだったのだと予想されます。

 

▼入院中の主な日程

入院中、スケジュールは基本的に毎日決まっていました。

病院内にスポーツのできる校庭(?)や体育館がありましたので、そこでスポーツを行ったりしました。

また、病棟内で皆でビデオ鑑賞をしたりする時間もありました。

複数の看護師さん同伴で、皆で近くの公園(羽根木公園)に散歩に行くといったこともありました。
入院初期の段階では貴重な外出の機会だったと思います。

食事は時間が決まっていました。
献立も事前に発表されていました。
食事の際、服用薬が皆それぞれに配られます。
飲み忘れもしくは意図的な飲み逃れがないように、薬を飲み終わるまで看護師さんが見てくれています。

入浴可能時間は決まっていましたが、強制的ではなかったと思います。少なくとも私の病棟は。
なので、入らない人は本当に入らなかったと記憶しています。
私は適度に入りました。

しかし、大浴場でしたので、今思えば衛生面で果たして本当に問題なかったのかな、と思ってしまいます。






 

▼担当看護師及び医師

医師は病棟単位で担当してくれていました。
私のいた病棟は我の強い思春期の青少年メインでしたので、さぞ大変だったことでしょう。
尊敬できます。

看護師は、患者それぞれに担当してくれました。
もちろん掛け持ちですが。
それでも、1人の患者に対して主担当と副担当が付きましたので、そういった点ではしっかりした体制だったと思います。

また、看護師さんはシフト勤務で交代制でした。
日中勤務のシフトと、夜から朝まで勤務するシフトがあったんだと思います。

担当する患者を選ぶことはできませんから、聞き分けの良い子の担当になれるかどうかは「運」だったでしょうね。

 

▼外出について

入院初期は一切外出できません。

しかし、担当医の許可が出ると、まず同伴外出ができるようになります。
同伴外出とは、看護師さんに同伴してもらって自由時間に一緒に近所に買い物に行ったりすることです。
外出レベル1、といったとこでしょうか。
看護師さんの業務の都合もありますので、毎朝申請する必要がありました。
また、場合によっては患者複数人で一緒に団体行動することになります。

さらに体調がいいと、担当医から自由外出の許可が下ります。
外出レベル2です。
この許可を受けると、自由時間に自由に外出できるようになります。
ただし、行先などは事前に看護師に申告しなくてはなりません。
ただ、自分のタイミングで外に出られるので、かなり自由度はあります。

 

▼外泊について

週末土日などは実家に帰って「外泊」することができます。

ただし、病状や家庭環境などにもよって、外泊できるかできないかの差はあったと思います。

外泊中は監視・管理されるわけではないので、真の意味で羽を伸ばせました。

 

▼入院期間

これはもう、本当に人それぞれです。

半年くらいで退院する人もいれば、何年も入院するような人もいました。

また、決まりで18歳の年度末までしか入院できないようでした。
小児専門の病院ですので、そのあたりは仕方ありませんね。

また、病状によっては退院後すぐに再入院ということもあります。

私も一度退院後すぐに再入院しました。
当時の正直な感想を申し上げれば、絶望感しかなかったですね。
「せっかく出られたのに、なんで俺ばっかり…」みたいな。






 

▼自立支援…的な

その他、退院後に自立できるように、病院からアルバイトに通っている人もいました。

私の場合も、当時は退院後に復学する予定でしたので、病院から近隣の個別学習塾に通わせてもらっていました。
病棟内には一応自習室のような部屋もありましたので、そこで宿題などをやることもできました。

また、ケースワーカーさんも定期的に見回りに来てくれて、いろいろと相談することができました。
今思えば、そのシステムはもっとしっかり活用すればよかったです。

まぁ、2000年頃と言えばまだインターネット普及過渡期、情報もあまり持っていない少年ではそれもできなかったわけですが。

 

▼あとがき

入院生活そのものの主な概要はこういった感じです。

基本的には監視・管理される生活ですが、同じ年頃の同性との共同生活は、辛くもあり、また楽しかった覚えがあります。

あの頃、勉強以外にいろいろなことを教えてくれた看護師の皆さんには本当に感謝しています。

今後、できればもっと具体的なエピソードを交えて、入院生活を書き記したいと思います。
もちろん、プライバシーを保護しながら。

辛い時期の記憶ですので、少し大変なのですが、書き残すことがあの病院に入院した経験のある者の務めだと思います。

体験したことを書き残すことによって、今後の精神医療に大いに役立ててほしいと思います。

 




過労死ラインである月80時間以上の長時間残業をしたときの話聞きたい?






以前、プラモデルやフィギュアを販売しているネット通販のとある会社に勤めていました。
約7年くらい勤務していました。割と長いですかね。
その間、部署異動や担当替えなどを経験し、色々な体験をさせて頂きました。
アルバイトから入社したのですが、途中で正社員にしてもらったり、お酒の飲み方を教えてもらったりと大変お世話になった会社です。

長い期間勤めていれば、楽しいことや嬉しいことも体験しますが、世間のニュースで見たり聞いたりするような辛い目にあったりもします。

今回はその7年間の経験の中でも個人的にインパクトが強かった「月80時間を超える残業を6ヶ月間体験したときの話」をしようかと思います。
過労死ラインを超える残業の実態を知りたくない方は、今すぐページからアウトしてくださいね。






▼過労死ラインの残業を続けた結果

月80時間以上の残業を6ヶ月に渡り行いました。
深夜残業とか含めると90時間に限りなく近かったときもあります。
その結果、正常だった思考が超・麻痺しました。

どういうことかというと、論理的な思考が完全にマヒし、手っ取り早く楽になる=今の状況から脱する方法ばかりを考え始めるのです。

つまり、死です。

「自分で死ねば、この終わりのない残業地獄から抜け出せる」と考えるようになります。
他の方法を考えなくなるのです。
自死とか自殺といったことが頭の中をグルグルと回ります。

私の場合、幻聴が聞こえるようになるといったことはありませんでした。
しかし、幻覚に近いようなものは見えました。
模様が動き回るというか、そんな感じに見えるのです。
身体も文字通り重くなるような感覚に襲われ続けました。

▼長時間残業が発生した経緯

当時は販売する商品を仕入れる部署で働いていました。
毎日午後に近くの問屋に仕入れに行く他に、社内で注文商品の出荷の指示を出したりウェブページを更新したりメルマガを発行したり新商品の発注を出したりするような業務内容でした。
販売や販促、仕入れに関する業務はなんでもやるような感じですね。

様々なジャンルの商品を扱っていたので、ジャンルごとに担当者が分かれていました。
私はそのうちの2ジャンルを担当していました。

ある日、配置換えを言い渡されました。
私はその結果、計4ジャンルを担当することになりました。
数字だけでも明らかに2倍ですね。
しかも業務内容の相性も悪かったのです。
自分で仕入れに行くことをメインにするジャンルの他、遠くの問屋から届く商品を自分で検品したりすることがメインのジャンルも担当することになりました。

その結果、午前も午後も商品を集めたり数えたりするような状況になり、以前なら空いている時間にやっていた新製品の発注などの業務を定時以降にやらざるを得なくなりました。

しかも、その新製品の種類が4ジャンルともやたらと多いのです。
さらに、業界はFAX発注がメインでしたので、パソコンで集計したデータを紙の発注書に書き出したりで、とにかく面倒で大変で大量の作業でした。

▼仕事が終わらないことは予想できた

実は配置換えの前にそういった状況になることが予想できていました。

自分でも予想できていましたし、周りの同僚も予想できていました。
笑えることに、取引先の方々にも予想できていて、心配のお声を掛けてもらいました。

どうやら、現場の業務量を把握できていなかったのは自社の上層部だけのようでした。
これはいつでもどの会社でもそういうものなのでしょうかね。

配置換え前にその旨を人事部にも伝えましたが「試験的にやってもらって、どうしてもダメだったらまた配置換えをしよう。だからそれまではやってくれ」という返答でした。





▼助けなしの状況

配置換え後、早速月の残業時間が80時間を超えました。
1~2ヶ月やってみてもやはり状況は変わりませんでした。

そこで再度人事部に現況を伝えたのですが、返答は「まだ2ヶ月だし、もうちょっとやってみてよ」という内容でした。

そこからは社畜の思考ですね、「もうやるしかない」と考えました。

多少の業務の手助けは周りの同僚にしてもらうことができました。
しかし、それでも全然業務が終わりません。
他部署に影響する作業も遅らせざるを得ず、その度にその影響を受ける部署から文句を言われる始末。
上司は “もちろん” 助けてくれない。
人事部も最早見て見ぬふり。
社長は「大丈夫?」と声を掛けてくれたけど、「そもそもアンタがGOを出した状況だろ」と思ってしまって逆にストレス。

全力で残業をしている間に、近くで無駄残業とか空残業をしている連中もしました。
本当にストレスでしたね。

毎日会社のカギ閉めもしていました。
数フロアある会社でしたので、これもまた手間なのです。

飲み会にも参加できずに、ストレスだけが溜まり、家には入浴と睡眠だけをしに帰るような状況でした。

やがて感覚はマヒし始め、会社に現状を訴えることを無駄な時間を思い、先程述べたような自死が頭をよぎるようになりました。

▼家族に相談

もちろん、そんな状況を続けていて死にそうな顔をしていると家族にも心配されます。
「人事部とかには相談しているのか?」とか「あまりにも状況が変わらないなら退職も選択肢だぞ」とか。

でも、家族は家族でしかありません。自分ではないのです。
助言はしてくれるものの、それを最終的に判断し実行するのは自分です。
しかし、判断すべき自分の思考がその時点で麻痺していますので、そういった助言は虚空を彷徨うことになります。

どんなにまともな助言などを見たり聞いたりしても、正常な判断ができない思考状態に追い込んでくるのが長時間残業です。

▼地獄からの脱出

なんともあっけない最期でした。

再度配置換えが行われ、私の長時間残業はなくなりました。
(それでも残業は発生し続けましたけどね)

他の部署の上司が人事部に掛け合ってくれたおかげで、私は最終的に6ヶ月でその残業地獄を脱出することができました。

自分からどんなに言ってもダメだったのに、上司が、しかも他の部署の上司が人事部に相談してくれたおかげでつらい日々にオサラバできたのです。
他の部署の人とも交流を持っていてよかったです。
最期にモノを言うのはやはり日頃の信頼関係ですね。





▼まとめ

過労死ラインを超える残業は、心身共に蝕みます。
これは過剰な表現ではありません。
実際に起こるのです。

そして、一見ブラック企業ではないような会社でもそれは起こりうるのです。
実際私の場合、残業した分の残業代は深夜手当までついてちゃんと貰えていました。
そういう点ではブラック企業ではありません。
しかし、やらされたことはダークでブラックな長時間残業だったわけです。

長時間残業発生中、私の精神はもちろん病んでいました。
「河に沈んで、息ができなくなれば、この残業地獄から脱出して楽になる」と本気で考えていました。
考えるたびに「それはよくない」と若干残っていた理性で否定するのです。
もしその残っていた理性まで枯渇してしまっていたら…おそらく自死を実行していたでしょうね。

報道などでよく「長時間残業の末の自殺・自死」が話題になることがあります。
体験したことがない人は「死ぬ前に仕事を辞めればいいのに」とか「誰かに相談すればいいのに」とか平気な顔して言います。

でも、「仕事を辞める」という発想ができなくなってしまったり、「助言を聞いても正常に判断できなくなる」という状況に陥ってしまうのです。
どうかそれを理解してほしいです。

また、身体面では、その長時間残業後に私は不整脈を発症しました。
それまでそんな兆候一切なかったのに、発症してしまったのです。
不整脈は油断できない症状です。
長時間残業は身体を確実に追い込みます。

長時間残業をしない方法はたくさんあるでしょう。
でも、それを実行できないのが「過労死ラインを超えた残業をしている人」なのです。
もし周りにそういう人がいたら、助けてあげてください。
もし自分がそうだと気付いたら、専門機関でも何でもいいので頼ってください。

働き方改革が叫ばれていますが、日本が日本である限り、こういった長時間残業はなくならないと私は思っています。

私と同じ経験を皆様にしてほしくありません。

長時間残業は悪習慣です。

残業代は貰えるでしょうが、それ以上に失うものが多いです。

どうか私の願いが、皆様に届きますように。




障害者雇用の転職エージェント利用の感想 | エージェント・サーナの場合






精神障害者保健福祉手帳を取得した後、それを利用した就職・転職活動を行っています。

転職活動の基本として、複数エージェントへの登録があります。
今回の転職活動では「障害者雇用枠」での就職を目標にしていますので、「障害者雇用に特化した転職エージェント」の登録をしています。

せっかく複数エージェントの登録をしていますので、それぞれについて自分で体験したことを、皆様のお耳に入れておこうと思います。
この文章を見て、今後の転職活動に役立てて頂ければ幸いです。

さて、今回のエージェント利用レビューは「エージェント・サーナ = Agent Sana」についてです。

同じ会社が「ウェブ・サーナ」という求人サイトも運営していて、こちらはエージェント経由ではなく、障害者雇用枠の求人情報に対して直接応募するスタイルになっています。

エージェント・サーナ登録時に同時に登録することもできますので、一緒に登録してしまってもいいかもしれません。





 

▼エージェント・サーナに登録したあと

結論として……登録後に連絡が来ませんでした。

なので、「登録しても連絡がこない可能性がある」としか言えません。
これで正直レビュー終了です。

登録に失敗したわけでもありません。
登録後の自動返信メールは届いていますので。

グーグルで「エージェントサーナ」と検索すると、関連するワードとして「連絡こない」という言葉が表示されます。
ですので、おそらく「登録後に連絡が来ない」という状況は私だけに発生したことではないと思います。

なお自動メールには「事務局からの連絡があるまで、今しばらくお待ちくださいますようよろしくお願い致します」との文言があります。
一般的な感覚では「今しばらく」はせいぜい10営業日だと思います。
すでに25日以上経っていますので、今回「登録後に連絡が来なかった」という判断をしました。

 

▼なぜ連絡が来ないのか4の可能性

転職エージェントに登録したにも関わらず、なぜ連絡が来ないのかを考えてみました。

なお、登録フォームには住所氏名、連絡先や障害内容、最終学歴くらいしか記入する項目がありません。
職務経歴などは記入欄が特に設けてありません。

そういったことを鑑みて、可能性としては下記のようなものが考えられると思います。

①精神障害者保健福祉手帳保持者に求人を紹介していない。

②転職エージェント担当者が多忙のため。

③実は個人情報だけを集めているダミー会社。

④会社として機能していない or やる気がない。

以上のようなことが考えられます。

登録時に職務経歴や希望職種などを入力する項目がもしあったのなら、それらのデータ上、紹介する企業がないということも考えられます。
例えば、希望する企業の条件が厳しすぎるとか、就職経験が求人内容と合致しないとか。

ですが、今回の場合は登録時に必要な情報が「住所、氏名、連絡先、学歴、障害者手帳について」くらいですから、それらには当てはまりませんね。

すると、どうしても上記4つの可能性を考えてしまいます。

④は論外です。

そんな企業に頼ろうとは思いません。

③も論外です。

もしそうであれば、むしろ犯罪です。
訴えたいくらいです。

②は私は論外です。

人によっては許容範囲かもしれませんが、多忙を理由に利用者を放置しているのであれば、そんな企業に身を任せたくありません。
仮にこちらから問い合わせて、求人の紹介を受けたとしても、その結果連絡が一か月後とかになりそうですので、信用できません。

①についてですが、これは可能性が高いかもしれません。

言い換えれば、障害の内容で差別しているのです。
もしそうであれば完全論外。
そんな企業には何も任せたくないですね、むしろ関わりたくない。
仮に予想が当たっていたとしたら、そのようにホームページ上に書いておくべきです。
そうでないと、利用者が結果として迷惑してしまうのです。
まぁ、書いたところで、非難されること必至ですが。

 

▼結論

私の結論としましては、「エージェント・サーナに登録する時間がもったいないので、精神障害者手帳をお持ちの方は利用するべきではない可能性が高い」といったところです。

もちろん、四肢の障害をお持ちの方などは登録してみてもいいかもしれません。
私が提示した可能性通りなら精神障害者以外にはちゃんと連絡をしてくれたり電話面談等を実施してくれるかもしれません。

今回のレビューはあくまで「精神障害者」である私が「エージェント・サーナ」に登録した結果及び登録した経験から考えられる可能性です。

エージェントサーナを利用していい結果を手に入れた方々もいるかもしれません。
その方々を否定する気は一切ありません。

登録後に連絡が来なく、それでもどうしてもエージェントサーナを利用したい場合には、一度メールか電話で直接問い合わせてみることをお勧めします。
ただ、先程も言いましたが「連絡します」と言って連絡をよこさない会社は、私の価値観では「終わって」います。

余計なことに手間暇かけるくらいなら、他の転職エージェントに登録することをおススメします。




 

障害者雇用の転職エージェント利用の感想 | ランスタッドのチャレンジド求人の場合






精神障害者保健福祉手帳を取得しましたので、いよいよ転職活動を始めました。
さっそくいくつか障害者雇用求人を取り扱っている転職エージェントに登録しました。

厚生労働省のサイトによると “従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。(障害者雇用促進法43条第1項)” とあります。
すごく簡単に大雑把に言うと「一定規模の企業は障害者を雇用する義務がある」ということですね。

というわけで、今回の転職は積極的に障害者雇用枠を狙うことにしました。
調べてみると、障害者雇用専門の転職エージェントはいくつもありました。

これから先、障害者雇用の転職エージェントを利用して転職活動をする方々のために、私がそれぞれの転職支援会社を利用した感想などを伝えていこうと思います。






▼ランスタッドの場合

ランスタッドのチャレンジド転職支援サービス」を利用しました。
正確には、利用しようとしたけど正式登録を辞退しました。

なぜ私は正式登録しなかったのか?

結論から言うと、精神障害者がランスタッドの転職支援サービスを受けるにはハードルがそこそこ高い、ということが挙げられます。

詳細を書き出す前に先に言っておきますが、ランスタッドのご担当者様はとても親切です。
こちらが傷つかないように言葉をよく選んでくれてると思いますし、正式登録前にも関わらず電話による面談も行ってくれました。
精神保健福祉士の資格を持っているから、そういう点できめ細かい対応をしれくださったのだと思います。

短い利用にはなりましたが、その対応については大変感謝しています。

 

▼高いハードル

条件の詳細はランスタッドのサイトに書いてあります。

私がクリアできなかったハードルは「直近2年の間に転職を繰り返している」という点でした。
去年と今年、1回ずつ転職していたため、対象から外れてしまったのです。

最初に仮登録を行ってから、担当の精神保健福祉士の方からメールで連絡を頂きました。
そして、扱っている求人情報について色々と条件があることや、それを確認したうえで正式登録するかとか、直近2年の転職理由のことなどのやり取りをしたのち、電話で面談することになりました。

電話面談で色々とお話を伺ったところ、今の状況でも正式登録自体はできるとのことでした。
ただ、確認したところ「直近2年で転職を数度している状況での紹介実績はない」とのことでしたし、確実には言えないがランスタッドでは求人を紹介できる可能性が低いということでしたので、潔く正式登録を辞退しました。

理由が病状に関係あるかどうかに関わらず、直近2年でそういった離職の履歴がある場合には、ランスタッドのチャレンジド求人を利用するのはとても難しいようです。

その他、数々の利用条件があります。
精神障害を理由に一回も就職できていないなど、症状が重い場合にも利用できないようです。

事務スキルやパソコンスキルも高いものを求めていますし、通院頻度も月1回でなければならないようです。

また紹介内容も、ある程度実績がある管理職等の紹介がメイン、ということでした。

実際に話を伺った感触としても、やはり多くの精神障害者にとっては利用が難しいと言わざるを得ません。






▼どういう人なら利用できるか?

私なりにどういう人ならランスタッドを利用できるか考えてみました。

長い間ひとつの企業に勤めていた人(それなりの役職にも就いた人)が、勤務期間中に精神障害を発病して、それを理由に働きながら転職活動をする、という状況であれば有利に利用できると思います。

また、もともと障害者雇用で働いている人が自身のステップアップのために転職しようと考えた時も、素晴らしい結果をもたらしてくれるに違いありません。

病状も比較的軽くて、とにかく純粋に待遇の向上を狙うのであれば利用しない手はないでしょう。

 

▼結論

利用するための条件は割とハードな印象です。
いわゆる「重いうつ病」とか「発達障害で就職したことがない」といった方にはおススメしません。
というか、多分正式登録できないと思います。

ただ、条件が合い、問題や疑念なく正式登録の対象となった場合には素晴らしい内容の求人情報を提供してくれるのだと思います。

直近2年で問題なく1社に働き続け、さらにステップアップを目指す場合にはぜひ利用してほしいエージェントです。
間違いなく、待遇や給与などの面で今より良い状況を目指せるはずです。

担当者の対応もすごく好印象です。
真摯さと熱心さが声やしゃべり方、メールの内容などから伝わってきました。
エージェントとして信頼できることでしょう。

まずは「精神障害者の方へ」を読んでみてください。
「自分は当てはまるから大丈夫」という場合は登録へ進みましょう。
「自分は大丈夫かどうかよくわからない」場合には一度問い合わせてみることをおススメします。