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過労死ラインである月80時間以上の長時間残業をしたときの話聞きたい?






以前、プラモデルやフィギュアを販売しているネット通販のとある会社に勤めていました。
約7年くらい勤務していました。割と長いですかね。
その間、部署異動や担当替えなどを経験し、色々な体験をさせて頂きました。
アルバイトから入社したのですが、途中で正社員にしてもらったり、お酒の飲み方を教えてもらったりと大変お世話になった会社です。

長い期間勤めていれば、楽しいことや嬉しいことも体験しますが、世間のニュースで見たり聞いたりするような辛い目にあったりもします。

今回はその7年間の経験の中でも個人的にインパクトが強かった「月80時間を超える残業を6ヶ月間体験したときの話」をしようかと思います。
過労死ラインを超える残業の実態を知りたくない方は、今すぐページからアウトしてくださいね。






▼過労死ラインの残業を続けた結果

月80時間以上の残業を6ヶ月に渡り行いました。
深夜残業とか含めると90時間に限りなく近かったときもあります。
その結果、正常だった思考が超・麻痺しました。

どういうことかというと、論理的な思考が完全にマヒし、手っ取り早く楽になる=今の状況から脱する方法ばかりを考え始めるのです。

つまり、死です。

「自分で死ねば、この終わりのない残業地獄から抜け出せる」と考えるようになります。
他の方法を考えなくなるのです。
自死とか自殺といったことが頭の中をグルグルと回ります。

私の場合、幻聴が聞こえるようになるといったことはありませんでした。
しかし、幻覚に近いようなものは見えました。
模様が動き回るというか、そんな感じに見えるのです。
身体も文字通り重くなるような感覚に襲われ続けました。

▼長時間残業が発生した経緯

当時は販売する商品を仕入れる部署で働いていました。
毎日午後に近くの問屋に仕入れに行く他に、社内で注文商品の出荷の指示を出したりウェブページを更新したりメルマガを発行したり新商品の発注を出したりするような業務内容でした。
販売や販促、仕入れに関する業務はなんでもやるような感じですね。

様々なジャンルの商品を扱っていたので、ジャンルごとに担当者が分かれていました。
私はそのうちの2ジャンルを担当していました。

ある日、配置換えを言い渡されました。
私はその結果、計4ジャンルを担当することになりました。
数字だけでも明らかに2倍ですね。
しかも業務内容の相性も悪かったのです。
自分で仕入れに行くことをメインにするジャンルの他、遠くの問屋から届く商品を自分で検品したりすることがメインのジャンルも担当することになりました。

その結果、午前も午後も商品を集めたり数えたりするような状況になり、以前なら空いている時間にやっていた新製品の発注などの業務を定時以降にやらざるを得なくなりました。

しかも、その新製品の種類が4ジャンルともやたらと多いのです。
さらに、業界はFAX発注がメインでしたので、パソコンで集計したデータを紙の発注書に書き出したりで、とにかく面倒で大変で大量の作業でした。

▼仕事が終わらないことは予想できた

実は配置換えの前にそういった状況になることが予想できていました。

自分でも予想できていましたし、周りの同僚も予想できていました。
笑えることに、取引先の方々にも予想できていて、心配のお声を掛けてもらいました。

どうやら、現場の業務量を把握できていなかったのは自社の上層部だけのようでした。
これはいつでもどの会社でもそういうものなのでしょうかね。

配置換え前にその旨を人事部にも伝えましたが「試験的にやってもらって、どうしてもダメだったらまた配置換えをしよう。だからそれまではやってくれ」という返答でした。





▼助けなしの状況

配置換え後、早速月の残業時間が80時間を超えました。
1~2ヶ月やってみてもやはり状況は変わりませんでした。

そこで再度人事部に現況を伝えたのですが、返答は「まだ2ヶ月だし、もうちょっとやってみてよ」という内容でした。

そこからは社畜の思考ですね、「もうやるしかない」と考えました。

多少の業務の手助けは周りの同僚にしてもらうことができました。
しかし、それでも全然業務が終わりません。
他部署に影響する作業も遅らせざるを得ず、その度にその影響を受ける部署から文句を言われる始末。
上司は “もちろん” 助けてくれない。
人事部も最早見て見ぬふり。
社長は「大丈夫?」と声を掛けてくれたけど、「そもそもアンタがGOを出した状況だろ」と思ってしまって逆にストレス。

全力で残業をしている間に、近くで無駄残業とか空残業をしている連中もしました。
本当にストレスでしたね。

毎日会社のカギ閉めもしていました。
数フロアある会社でしたので、これもまた手間なのです。

飲み会にも参加できずに、ストレスだけが溜まり、家には入浴と睡眠だけをしに帰るような状況でした。

やがて感覚はマヒし始め、会社に現状を訴えることを無駄な時間を思い、先程述べたような自死が頭をよぎるようになりました。

▼家族に相談

もちろん、そんな状況を続けていて死にそうな顔をしていると家族にも心配されます。
「人事部とかには相談しているのか?」とか「あまりにも状況が変わらないなら退職も選択肢だぞ」とか。

でも、家族は家族でしかありません。自分ではないのです。
助言はしてくれるものの、それを最終的に判断し実行するのは自分です。
しかし、判断すべき自分の思考がその時点で麻痺していますので、そういった助言は虚空を彷徨うことになります。

どんなにまともな助言などを見たり聞いたりしても、正常な判断ができない思考状態に追い込んでくるのが長時間残業です。

▼地獄からの脱出

なんともあっけない最期でした。

再度配置換えが行われ、私の長時間残業はなくなりました。
(それでも残業は発生し続けましたけどね)

他の部署の上司が人事部に掛け合ってくれたおかげで、私は最終的に6ヶ月でその残業地獄を脱出することができました。

自分からどんなに言ってもダメだったのに、上司が、しかも他の部署の上司が人事部に相談してくれたおかげでつらい日々にオサラバできたのです。
他の部署の人とも交流を持っていてよかったです。
最期にモノを言うのはやはり日頃の信頼関係ですね。





▼まとめ

過労死ラインを超える残業は、心身共に蝕みます。
これは過剰な表現ではありません。
実際に起こるのです。

そして、一見ブラック企業ではないような会社でもそれは起こりうるのです。
実際私の場合、残業した分の残業代は深夜手当までついてちゃんと貰えていました。
そういう点ではブラック企業ではありません。
しかし、やらされたことはダークでブラックな長時間残業だったわけです。

長時間残業発生中、私の精神はもちろん病んでいました。
「河に沈んで、息ができなくなれば、この残業地獄から脱出して楽になる」と本気で考えていました。
考えるたびに「それはよくない」と若干残っていた理性で否定するのです。
もしその残っていた理性まで枯渇してしまっていたら…おそらく自死を実行していたでしょうね。

報道などでよく「長時間残業の末の自殺・自死」が話題になることがあります。
体験したことがない人は「死ぬ前に仕事を辞めればいいのに」とか「誰かに相談すればいいのに」とか平気な顔して言います。

でも、「仕事を辞める」という発想ができなくなってしまったり、「助言を聞いても正常に判断できなくなる」という状況に陥ってしまうのです。
どうかそれを理解してほしいです。

また、身体面では、その長時間残業後に私は不整脈を発症しました。
それまでそんな兆候一切なかったのに、発症してしまったのです。
不整脈は油断できない症状です。
長時間残業は身体を確実に追い込みます。

長時間残業をしない方法はたくさんあるでしょう。
でも、それを実行できないのが「過労死ラインを超えた残業をしている人」なのです。
もし周りにそういう人がいたら、助けてあげてください。
もし自分がそうだと気付いたら、専門機関でも何でもいいので頼ってください。

働き方改革が叫ばれていますが、日本が日本である限り、こういった長時間残業はなくならないと私は思っています。

私と同じ経験を皆様にしてほしくありません。

長時間残業は悪習慣です。

残業代は貰えるでしょうが、それ以上に失うものが多いです。

どうか私の願いが、皆様に届きますように。




障害者雇用の転職エージェント利用の感想 | エージェント・サーナの場合






精神障害者保健福祉手帳を取得した後、それを利用した就職・転職活動を行っています。

転職活動の基本として、複数エージェントへの登録があります。
今回の転職活動では「障害者雇用枠」での就職を目標にしていますので、「障害者雇用に特化した転職エージェント」の登録をしています。

せっかく複数エージェントの登録をしていますので、それぞれについて自分で体験したことを、皆様のお耳に入れておこうと思います。
この文章を見て、今後の転職活動に役立てて頂ければ幸いです。

さて、今回のエージェント利用レビューは「エージェント・サーナ = Agent Sana」についてです。

同じ会社が「ウェブ・サーナ」という求人サイトも運営していて、こちらはエージェント経由ではなく、障害者雇用枠の求人情報に対して直接応募するスタイルになっています。

エージェント・サーナ登録時に同時に登録することもできますので、一緒に登録してしまってもいいかもしれません。





 

▼エージェント・サーナに登録したあと

結論として……登録後に連絡が来ませんでした。

なので、「登録しても連絡がこない可能性がある」としか言えません。
これで正直レビュー終了です。

登録に失敗したわけでもありません。
登録後の自動返信メールは届いていますので。

グーグルで「エージェントサーナ」と検索すると、関連するワードとして「連絡こない」という言葉が表示されます。
ですので、おそらく「登録後に連絡が来ない」という状況は私だけに発生したことではないと思います。

なお自動メールには「事務局からの連絡があるまで、今しばらくお待ちくださいますようよろしくお願い致します」との文言があります。
一般的な感覚では「今しばらく」はせいぜい10営業日だと思います。
すでに25日以上経っていますので、今回「登録後に連絡が来なかった」という判断をしました。

 

▼なぜ連絡が来ないのか4の可能性

転職エージェントに登録したにも関わらず、なぜ連絡が来ないのかを考えてみました。

なお、登録フォームには住所氏名、連絡先や障害内容、最終学歴くらいしか記入する項目がありません。
職務経歴などは記入欄が特に設けてありません。

そういったことを鑑みて、可能性としては下記のようなものが考えられると思います。

①精神障害者保健福祉手帳保持者に求人を紹介していない。

②転職エージェント担当者が多忙のため。

③実は個人情報だけを集めているダミー会社。

④会社として機能していない or やる気がない。

以上のようなことが考えられます。

登録時に職務経歴や希望職種などを入力する項目がもしあったのなら、それらのデータ上、紹介する企業がないということも考えられます。
例えば、希望する企業の条件が厳しすぎるとか、就職経験が求人内容と合致しないとか。

ですが、今回の場合は登録時に必要な情報が「住所、氏名、連絡先、学歴、障害者手帳について」くらいですから、それらには当てはまりませんね。

すると、どうしても上記4つの可能性を考えてしまいます。

④は論外です。

そんな企業に頼ろうとは思いません。

③も論外です。

もしそうであれば、むしろ犯罪です。
訴えたいくらいです。

②は私は論外です。

人によっては許容範囲かもしれませんが、多忙を理由に利用者を放置しているのであれば、そんな企業に身を任せたくありません。
仮にこちらから問い合わせて、求人の紹介を受けたとしても、その結果連絡が一か月後とかになりそうですので、信用できません。

①についてですが、これは可能性が高いかもしれません。

言い換えれば、障害の内容で差別しているのです。
もしそうであれば完全論外。
そんな企業には何も任せたくないですね、むしろ関わりたくない。
仮に予想が当たっていたとしたら、そのようにホームページ上に書いておくべきです。
そうでないと、利用者が結果として迷惑してしまうのです。
まぁ、書いたところで、非難されること必至ですが。

 

▼結論

私の結論としましては、「エージェント・サーナに登録する時間がもったいないので、精神障害者手帳をお持ちの方は利用するべきではない可能性が高い」といったところです。

もちろん、四肢の障害をお持ちの方などは登録してみてもいいかもしれません。
私が提示した可能性通りなら精神障害者以外にはちゃんと連絡をしてくれたり電話面談等を実施してくれるかもしれません。

今回のレビューはあくまで「精神障害者」である私が「エージェント・サーナ」に登録した結果及び登録した経験から考えられる可能性です。

エージェントサーナを利用していい結果を手に入れた方々もいるかもしれません。
その方々を否定する気は一切ありません。

登録後に連絡が来なく、それでもどうしてもエージェントサーナを利用したい場合には、一度メールか電話で直接問い合わせてみることをお勧めします。
ただ、先程も言いましたが「連絡します」と言って連絡をよこさない会社は、私の価値観では「終わって」います。

余計なことに手間暇かけるくらいなら、他の転職エージェントに登録することをおススメします。




 

障害者雇用の転職エージェント利用の感想 | ランスタッドのチャレンジド求人の場合






精神障害者保健福祉手帳を取得しましたので、いよいよ転職活動を始めました。
さっそくいくつか障害者雇用求人を取り扱っている転職エージェントに登録しました。

厚生労働省のサイトによると “従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。(障害者雇用促進法43条第1項)” とあります。
すごく簡単に大雑把に言うと「一定規模の企業は障害者を雇用する義務がある」ということですね。

というわけで、今回の転職は積極的に障害者雇用枠を狙うことにしました。
調べてみると、障害者雇用専門の転職エージェントはいくつもありました。

これから先、障害者雇用の転職エージェントを利用して転職活動をする方々のために、私がそれぞれの転職支援会社を利用した感想などを伝えていこうと思います。






▼ランスタッドの場合

ランスタッドのチャレンジド転職支援サービス」を利用しました。
正確には、利用しようとしたけど正式登録を辞退しました。

なぜ私は正式登録しなかったのか?

結論から言うと、精神障害者がランスタッドの転職支援サービスを受けるにはハードルがそこそこ高い、ということが挙げられます。

詳細を書き出す前に先に言っておきますが、ランスタッドのご担当者様はとても親切です。
こちらが傷つかないように言葉をよく選んでくれてると思いますし、正式登録前にも関わらず電話による面談も行ってくれました。
精神保健福祉士の資格を持っているから、そういう点できめ細かい対応をしれくださったのだと思います。

短い利用にはなりましたが、その対応については大変感謝しています。

 

▼高いハードル

条件の詳細はランスタッドのサイトに書いてあります。

私がクリアできなかったハードルは「直近2年の間に転職を繰り返している」という点でした。
去年と今年、1回ずつ転職していたため、対象から外れてしまったのです。

最初に仮登録を行ってから、担当の精神保健福祉士の方からメールで連絡を頂きました。
そして、扱っている求人情報について色々と条件があることや、それを確認したうえで正式登録するかとか、直近2年の転職理由のことなどのやり取りをしたのち、電話で面談することになりました。

電話面談で色々とお話を伺ったところ、今の状況でも正式登録自体はできるとのことでした。
ただ、確認したところ「直近2年で転職を数度している状況での紹介実績はない」とのことでしたし、確実には言えないがランスタッドでは求人を紹介できる可能性が低いということでしたので、潔く正式登録を辞退しました。

理由が病状に関係あるかどうかに関わらず、直近2年でそういった離職の履歴がある場合には、ランスタッドのチャレンジド求人を利用するのはとても難しいようです。

その他、数々の利用条件があります。
精神障害を理由に一回も就職できていないなど、症状が重い場合にも利用できないようです。

事務スキルやパソコンスキルも高いものを求めていますし、通院頻度も月1回でなければならないようです。

また紹介内容も、ある程度実績がある管理職等の紹介がメイン、ということでした。

実際に話を伺った感触としても、やはり多くの精神障害者にとっては利用が難しいと言わざるを得ません。






▼どういう人なら利用できるか?

私なりにどういう人ならランスタッドを利用できるか考えてみました。

長い間ひとつの企業に勤めていた人(それなりの役職にも就いた人)が、勤務期間中に精神障害を発病して、それを理由に働きながら転職活動をする、という状況であれば有利に利用できると思います。

また、もともと障害者雇用で働いている人が自身のステップアップのために転職しようと考えた時も、素晴らしい結果をもたらしてくれるに違いありません。

病状も比較的軽くて、とにかく純粋に待遇の向上を狙うのであれば利用しない手はないでしょう。

 

▼結論

利用するための条件は割とハードな印象です。
いわゆる「重いうつ病」とか「発達障害で就職したことがない」といった方にはおススメしません。
というか、多分正式登録できないと思います。

ただ、条件が合い、問題や疑念なく正式登録の対象となった場合には素晴らしい内容の求人情報を提供してくれるのだと思います。

直近2年で問題なく1社に働き続け、さらにステップアップを目指す場合にはぜひ利用してほしいエージェントです。
間違いなく、待遇や給与などの面で今より良い状況を目指せるはずです。

担当者の対応もすごく好印象です。
真摯さと熱心さが声やしゃべり方、メールの内容などから伝わってきました。
エージェントとして信頼できることでしょう。

まずは「精神障害者の方へ」を読んでみてください。
「自分は当てはまるから大丈夫」という場合は登録へ進みましょう。
「自分は大丈夫かどうかよくわからない」場合には一度問い合わせてみることをおススメします。




タクシードライバーへの転職に向いていない人の特徴






今回は「タクシードライバーに夢と野望を抱いて転職したが、たった数ヶ月で辞めてしまった」私が、タクシードライバーに向いていない人について語ります。
これからタクシードライバー=タクドラになろうと考えている方々の参考になればいいなと思います。

すごくざっくりと言うと「タクドラに向いていないタイプ=私と似ている思考の人」です。「私はタクドラに向いていなかった」という仮定に基づいて今回語らせて頂きます。
だからといって「うつ病・元うつ病の人は向いていない」とかそういう結論ではありませんのでご安心ください。

ちなみに、私が経験したのは「東京23区のタクシードライバー」です。他の地域ではまた事情が違うかもしれませんのでご注意ください。

下記の4つの項目に全て当てはまる人は、都内を走るタクドラになることをあきらめた方がいいと思います。
1つでも当てはまったら、少し落ち着いて考え、他人に相談したりすることをオススメします。

■極度に真面目で融通がきかない人
■他人に対して真剣に向かい合ってしまう人
■常に完璧を目指す人
■二種免許の取得費用分の貯金がない人

さてどういうことなのか?
それぞれ解説していきます。





 

▼極度に真面目で融通がきかない人

ルールを都合よく解釈できず、融通をきかせることができない人にはこの仕事は向いていません。

タクシー会社に入社すると、二種免許を取得するために自動車教習所に通学もしくは合宿をすることになります。
最初に一種の免許を取ってから何年も経っていると、運転技術に変なクセが混ざっていたり、道路交通法なんかも忘れていたりします。しかも、一種のときよりもより深い部分・広い視野で交通法を理解できるように教え込まれます。
教習所を卒業する頃には「自称・道路交通法マスター」といった気分になるくらいです。

しかし、実際にタクシー乗務が始まると、教え込まれたそれら道路交通法を遵守できない日々が始まります。
これが私には苦痛で仕方ありませんでした。
本来、停車してはいけない場所で停車せざるを得なかったり、速度も正直グレーorブラックな速度で進まなくてはなりません。
会社はもちろん「法を守るように」と指導しているのですが、実際にはお客様の要望に応える形でそういった「隠れ違反」や「グレーな行為」を行うことになります。

また、タクシーセンターが定めるルールもいくつかあるのですが、それらも場合によってはスルーしなくてはなりません。
例えば「東京駅の大丸前」は本来客待ちが禁止されている場所です。でも、日常的にタクシーが場所待ちしていますよね。

そういった「ルールを破る行為」に日々ストレスを感じ続けていました。
ある程度真面目な人にはとても向いている仕事だと思いますが、融通がきかない程真面目な人には向いていない仕事です。

 

▼他人に対して真剣に向かい合ってしまう人

接客業の経験が少ない人に多いと思うのですが、お客様ひとりひとりに真摯に向き合おうとする人には向いていません。

お客様からのクレームがあります。
正直、多かれ少なかれ、道を覚えるまでは必ず毎乗車ごとにあると思います。それらに対していちいち真剣に向き合ってしまうと、とんでもないストレスになります。
いい意味で、そういったクレームを受け流せる器量・度量がないとスタートで躓くことになります。
会社の指示通りの接客を行っていてもクレームが発生しますので、クレーム慣れしていない人には向いていないと言わざるを得ません。

「クレームに弱い」だけなら、ある種の勇気で克服できるでしょう。
しかし、「クレームに真剣に向かい合う」と、とてもじゃないけど件数こなせません。






 

▼常に完璧を目指す人

完璧主義者はこの仕事のスタートで躓きます。

誰しもがそうですが、最初は道を覚えることからスタートします。
と言っても、「道を覚えてから乗務が始まる」のではなく「道を覚えながら乗務する」ことになります。
私の感覚では、ある程度道を覚えてから乗務を始めるべきなのですが、実際にはナビを使ったり、お客様本人に道案内をさせながら車を走らせるのです。

特に「お客様に道案内をさせる」という行為が「プロのタクシードライバーとして如何なものなのだろうか?」という考えがずっと離れませんでした。
毎回勤務後は本の地図やグーグルマップでその日の道順を復習していたりしたのですが、それでも行ったことのない道はわからないわけです。地名もランドマークも都内には山ほどあります。
おそらく「道を覚える」という面に対して「完璧になる」には数年掛かります。完璧主義の人はその間大きなストレスを抱えながら仕事をすることになります。

「仕事に対して完璧な知識を得てから業務に向かい合いたい」という人には絶対に向いていません。

 

▼二種免許の取得費用分の貯金がない人

多くの会社では二種免許取得費用を会社が負担してくれますが、基本的に2年間は勤めないとその費用を全額返還しなければなりません。
額には会社ごとに差があるとは思いますが、おおよそ20万円程です。

もし万が一短期間で会社を辞めることになったら、その額を退社時に返さなければなりません。
その際に困らないように、貯金はある程度あった方がいいと思います。

借りたお金が返せないからと、辞めたいのに辞められない状況を続けていると、ストレスを抱えながら車を長時間・長期間運転することになります。
いずれ大きな事故を起こして、もっと悲惨な状況に陥るでしょう。

 

……といった感じです。
タクシードライバは歩合給ですし、営業手法もある程度自由ですので、ある種「一攫千金」も狙えるでしょう。
しかし、向いていないタイプの人間は確実にいます。私がそうです。

もしタクシードライバーに転職を考えている場合には、タクシー転職者のための紹介会社とかがいくつかありますから、そういったところにぜひ相談をしてから決断してほしいと思います。
また、実際にタクシーに乗ってドライバーさんに話を聞くのもいいかもしれません。

 

■極度に真面目で融通がきかない人
■他人に対して真剣に向かい合ってしまう人
■常に完璧を目指す人
■二種免許の取得費用分の貯金がない人

上記にひとつでも当てはまったら、タクドラに転職することを少し思いとどまってくださいね。






スーツがないと困る

最近の企業は、業界や業務内容によるとも思いますが、私服勤務の企業が大分多いと思います。私が以前勤めていたネット通販の企業もそうでした。
そのため、転職時に「スーツ」に困ってしまうという状況に陥りました。





どういうことかと言いますと、スーツ自体は持っていました。イージーオーダーで仕立てたお気に入りのスーツでした。特に裏地の色やラペル幅などにこだわったお気に入りの一着でした。
しかし、勤め先が私服勤務だったため、なかなか着る機会のない一着でもありました。友人の結婚式とかそういった機会もなかなかありませんでしたので、本当に着る機会のない服でした。

すると、どういったことが起きたでしょうか?

簡単です。身体が「大きく」なってしまい、スーツがきつくなってしまっていたのです。
スラックスのウエストがきついだけならなんとか上着でごまかせますが、ジャケットも前がしまるかしまらないかギリギリのところだったのです。
これには困りました。
正直、スーツというスーツはその一着しかありませんでしたので、転職活動においてはその一着が頼りでした。しかし、その一着がとてもとてもキツいのです。

通常であれば、急遽スーツを量販店に買いに行くのでしょう。特にスーツにこだわりのない方はこれで解決します。
しかし、スーツにこだわりがあり、イージーオーダーじゃないと気が済まない私は、結局量販店に行くことはありませんでした。「スーツを買うなら絶対にオーダーじゃないといやだ」というのも、私が手足が普通の人より長いため、ちゃんと採寸して仕立てたイージーオーダーじゃないと袖の長さが足りないのです。
そして、イージーオーダーを注文すると、仕立て上がるまで一ヵ月はかかります。
スーツが着られないと分かった時点で既に退職済みでしたので、大慌てで注文しに行きました。

結局、そのときの転職活動は退職後三ヵ月程掛かりましたので、後半戦においては新しいスーツで挑むことができました。
(だからと言って、前半戦の調子が悪かったのは決してスーツのせいではありませんが…)

転職をしようと思ったら、どんな企業が求人を出しているのかとか、どの転職エージェントに登録するのがいいのかとか、どういったマナーを身に着けるべきなのかとかを調べる前に、まずは手持ちのスーツが着られるかどうかチェックしましょう。
もし着られないようであれば、オーソドックスな一着を準備しましょう。ネクタイもです。

あと、忘れがちですが、革靴も準備しましょう。
デザインもいろいろあるかと思いますが、カジュアル過ぎないものを選びましょう。フォーマルでも使える黒のストレートチップがいいと思います。こだわるなら内羽根のものがいいですね。
ストレートチップの革靴が一足あれば冠婚葬祭にも困りません。

転職時には服装も大事です。身なりによる第一印象は短い時間で行われる就職面接においては非常に重要です。
忘れずに準備しましょう。